株式会社タケコシ
人との出会い、仕事との出会いに感謝を。
抗菌ステンレスを活用した自社ハウスウェアブランドに加えて、工場、医療機器、自動車・航空機など、多様なジャンルで用いられる金属成形品の設計・製造を手掛ける(株)タケコシ。『そのカタチ、つくって魅せます』を合言葉に、ものづくりにおけるさまざまな課題の解決を、金属プレス加工の技術力でサポートしています。
もともとは、燕の地で専業農家を営んでいたという竹越家。日本が高度経済成長期を迎えた頃、農業にも機械化の流れが起こり、これが転機になりました。「燕は古くから工場の町でもありましたから、これを機に金属加工業へ参入してみようと考えたのでしょう」と竹越社長は話します。昭和41年、竹越社長の父に当たる初代が、(株)竹越製作所を創業。「父は農作業と並行して、自社の工場を少しずつ整備。その間、叔父は技術を学びに、よその工場へ修行に出たようですね。兄弟が二人三脚で軌道に乗せた事業が、今日のタケコシに繋がっています」
昭和63年、東京からUターンして竹越製作所に入社した竹越社長は、平成18年に先代とバトンタッチ。社名をタケコシに改め、現在の姿に至ります。
「親の後を継ごうと『いつ』『なぜ』決心したか、という明確な答えはないんです。自身の帰るべきところに、自然と帰っていたと言いますか」と竹越社長。そうした思いを象徴するかのように、社長就任後は、工場の町ならではの温かな人間関係に多く助けられたと言います。同じく家業を継いだ旧友と再会することも多く、商売人としての人脈は自然と広がっていったのだそう。「たとえ競合する関係だったとしても、ひとりの人間として気心の知れた相手なら、良きライバルとして付き合うことができます。同郷のよしみっていうのは心強いもので、燕という地域の大きな魅力でもあると感じますね」
「私たちのポリシーをひとつ挙げるとするなら、『何でもやる』ということでしょうか。プレス加工の分野において、初めからこれはやりません、あれはできませんってことは極力言わないようにしているんです」と話す竹越社長。得意分野を絞り、あるひとつの強みに特化するのではなく、広くさまざまな要望に応えるのがタケコシ流のようです。
取り扱う製品が多くなるほど、必要になる材料や金型類も増えていきます。タケコシはこれらを適切に管理するため、この規模の工場では珍しく自動倉庫を導入しています。効率良く資材を出し入れしてくれる428枚のパレットには、それぞれ1トンまで荷物が積めるのだとか。
「もちろん、闇雲にすべての仕事を請け負っているわけではありません。『これは誰々さんのとこでやった方がいい』と判断して紹介することもあります。最終的に『燕の人たちに頼んでよかった』と思ってもらえるなら、それは嬉しいことです」
日々、多くの依頼と向き合うタケコシ。ときには、非常に難易度の高い仕事に挑むこともあると言います。社内の職人や金型業者と綿密な打ち合わせを重ね、そうした難題に応えてみせる姿は、まさしく燕が誇るという魅力ある町工場の姿そのもの。「頭を捻って、工夫して、難しい仕事が上手く進むとホッとします。自分たちは商売人である前に、やっぱり職人なんだなと感じる瞬間ですね」
ところが、コロナ禍により対面での密なやりとりが避けられる現在。そうした、人同士の交わりから生じる付加価値が失われてしまうことを、竹越社長は危惧します。「これからの世の中、いかにして人間関係を築き、仕事を紡いでいくか? 私たちは考える必要があります。同時に、苦境の中でも団結し支え合える、地域の『縁』にはひとえに感謝です」
株式会社タケコシ
〒959-1234 新潟県燕市南7-7-13
TEL. 0256-63-2727(代) FAX. 0256-63-7383
E-mail:takegosi@ginzado.ne.jp
HP:https://takekosi.com/