日本金属ハウスウェア工業組合

企業インタビュー組合について

株式会社イケダ

変化する時代に、新たなニーズを開拓していきます。

株式会社イケダは昭和39年、新潟県燕市で創業(昭和46年、池田製作所から改組)。それまでは池田社長の父に当たる初代が、鎚起銅器等から出る銅のスクラップから、真鍮を作る仕事をしていたそうです。
創業のきっかけは、ステンレスが普及したこと。燕市では戦後、ステンレス洋食器の生産が盛んになりましたが、「洋食器以外にもステンレスでさまざまな製品を作ろう!」という機運が高まっていました。
先代はさらに、レストランや食堂で使うハウスウェアを中心にさまざまな製品を作りましたが、中でも昭和43年に発売した「カレー皿」が大ヒット。さまざまな食器の形やデザインを研究して生み出された楕円形の深皿は、またたく間に人気商品に。一時期は、生産が全く追いつかないほどだったと言います。株式会社イケダでは現在もこのカレー皿を当時と同じ形のまま生産しており、根強い人気があります。また、海上自衛隊にも納入しているそうです。

池田社長が入社したのは昭和55年。その後、目をつけたのは抗菌効果のあるステンレスの開発でした。「銅に抗菌効果があることは昔から分かっていたんです。これをステンレス製品になんとか応用できないかと思って」と池田社長。試行錯誤を繰り返し、足掛け3年。平成8年、抗菌ステンレスの開発に成功しました。「当初は医療器具に応用できればと思っていたのですが、医療器具はディスポーザブル(使い捨て)の時代になってしまって」。画期的な製品でしたが、発売当初は鳴かず飛ばずであったと言います。
ところが奇しくも同年、O-157による集団食中毒事件が発生。日本社会の衛生意識が一気に高まり、給食センターや旅館・ホテル、食品加工業者からの注文が相次ぎます。燕市内の業者で製造グループを作って注文に対応したそう。「当時は最大18社であらゆるものを製造しました。製品を共同開発したり、生産を分担したり……日本金属ハウスウェア工業組合の活動もそうですが、技術のある企業がひとつの地域に集積しているのは心強いですね」と話します。

現在の主力商品は、抗菌ステンレス製の業務用・給食用のバット類。次に池田社長が売り込んでいきたいのが「エコクリーン」というステンレス製品群です。特殊な加工を施すことで、バターや油脂など、落ちにくい汚れも水だけでスッキリと落ちるというもの。「洗剤や水が節約できるので環境にやさしいのはもちろんですが、洗浄にかける時間も大幅に短縮できます。コンビニ向けの食品工場、外食産業のセントラルキッチン、医療・介護老人福祉施設の厨房などからの、新しいニーズに応えていきたい」と池田社長は話します。

カレー皿から、抗菌ステンレス、そしてエコクリーンへ。いち商品のヒットに安住せず、挑戦を続けてきた株式会社イケダ。「薩摩藩島津家の家紋をイメージしてみてください。私は事業をあの家紋のような形に、つまり4つのブロックに分けて展開していきたいんです。ひとつは、昔から作っているロングセラー商品。ひとつは、会社を支える中心製品。ひとつは、売れはじめの商品。最後のひとつは、時代を先取りした新製品です」と池田社長は話します。世代交代の時期が迫っているそうですが、「後継者には常にアンテナを張って、オンリーワンの製品づくりを追求していきなさい、と伝えています」と教えてくれました。

株式会社イケダ

〒959-1286 新潟県燕市小関1317
TEL. 0256-62-6766(代) FAX. 0256-62-4504
E-mail:ikd@ ikd-net.co.jp
HP:http://www.ikd-net.co.jp/