日本金属ハウスウェア工業組合

企業インタビュー組合について

株式会社玉虎堂製作所

ものが溢れる時代に、本当の豊かさを伝えたい。

「創業者の柄沢虎二は、亡き夫の祖父にあたります。ここ燕の地でいち早く機械化を進めた人物として、地域の産業振興に大きく貢献したそうです」と話すのは、現社長の柄沢マリアさん。初代は、鎚起銅器の老舗・玉川堂での修行を経て、大正8年に(株)玉虎堂製作所を創業。銅器製造から徐々にステンレス製品の製造へと移行し、「マルタマ印」のブランドで今なお愛される、数々のステンレス製品を生み出しました。
「高級品である鎚起銅器だけでは、一部の人にしか製品を届けられない。そうした考えのもと、よりたくさんの人に、よりよいものをお届けするため、工夫と企業努力を繰り返してきたのです」と柄沢社長。同社が持つ製造設備は、部品単位で改良・調整が施されたオリジナルの機械ばかり。よそには真似できないものを作りたいという、歴代の職人たちの思いが込められています。

同社製品ブランド「マルタマ印」の中には、昭和21年に誕生した日本初のステンレス製ケトルをはじめ、数々のロングセラー商品があります。約70年にわたり販売され続け、全国の飲食店で愛用されるウォーターポットは、誰しも一度は目にしたことがあるはず。「時代が移り変わっても無闇に形を変えず、長年愛されるものを作り続けるのが、私たちのモットーです」
5代目社長を務める柄沢マリアさんは、ロシアで生まれ育ち、大学生の頃に日本へ。初代の孫にあたる雄児さんと国際結婚し、平成20年に玉虎堂製作所へ入社しました。創業100年を迎えた令和元年、急逝した雄児さんの跡を継いで社長職に就任。これからも同社の伝統を守っていくために奮闘しています。

先人たちの技術や思いを受け継ぎ、歴史ある製品の姿かたちを守る一方で、柄沢社長は「故郷であるロシアと日本の交わりをイメージした、新しい製品づくりも進めていきたい」と、「KALINKA(カリンカ)」シリーズを打ち出しました。鮮やかなカラーリングを施したステンレス製の急須で、もともとは2014年に長岡造形大学の学生らと共同開発したもの。コロナ禍で増えたおうち時間に、ささやかな彩りを添えたいとの思いからリニューアルされました。
「カリンカとは、ロシアに伝わる童謡の名前。また、そのお話に出てくる真っ赤な木の実の名前です。その他のカラーバリエーションとしては白・黒があり、それぞれ朝と夜をイメージして作りました。あるお宅では日本らしい茶器として、別のお宅ではかわいいティーセットとして、ご家庭のスタイルに合わせて活躍する商品になれば嬉しいです」

これからの玉虎堂製作所の目標について、柄沢社長は「真の豊かさとは何か、ものづくりを通じてお客様に問いかけていきたい」と話します。「安価な海外製品が簡単に手に入る現代において、私たちは目先の利便性と引き換えに、何か大事なものを捨て去ってしまってはいないでしょうか?」
単に「安いから」だけではなく、「地元を元気にしたいから」「子どもたちによりよいものを残したいから」といった、少し先の未来を見据えて商品を選ぶこと。これが何より大切なのだと語ります。「一人でも多くの方に共感していただけるよう、玉虎堂製作所はこれからも『真に豊かな暮らし』にふさわしいものづくりを続けてまいります」

株式会社玉虎堂製作所

〒959-1234 新潟県燕市南4-8-5
TEL. 0256-62-2221(代)
E-mail:mail@gyokkodou.co.jp
HP:https://www.gyokkodou.co.jp/